クリスマス間近ということで、クリスマスっぽい映画を。
1990年公開のアメリカ映画『シザーハンズ』
シザーハンズを初めて見たのは私が中学生だった頃。
『ブラッド・ダイアモンド』を見るまでは『シザーハンズ』がMyベスト映画でした。
中学生の時に、この映画を見た感想は『ただただ切ないっ!!』
まだ恋愛のノウハウを全く知らないお子ちゃまでしたからね。
今は・・・恋愛自体ご無沙汰で衰退しつつあるかな(笑)
大人になって『シザーハンズ』をもう一度見たら、分別のつかない子供は見てはいけない映画だと思いました。
精神年齢PG18指定にした方が良さそうです。
あらすじ
純真無垢な心を持つ人造人間と少女の交流を描いたファンタジー映画。(PG12指定)
寒い冬の夜、「雪はどうして降るの?」と孫娘に聞かれた祖母(キム)が話し始める。
昔、町外れの山の上の屋敷に孤独に暮らす老発明家がいた。
屋敷の中で発明品を作り出した彼は、遂には生命の創造に挑み、1人の人造人間を生み出した。
彼は人造人間をエドワードと名付け、愛情をもって接する。
見た目は人間のようなエドワードだが、手がハサミ。
手が完成し、付け替えようとした矢先に、老発明家は発作を起こし亡くなる。
エドワードは両手がハサミのまま、屋敷に1人残された。
ある日エドワードの住む屋敷に、ペグという化粧品セールスの女性がやってくる。
心優しい彼女は、奇怪な姿をしたエドワードを発見したのち、自分の家に連れて帰ることにする。
手がハサミのエドワードは食事さえままならないが、植木を様々な形に美しく整えたり、ペットの毛を刈ったり、女性たちの髪を独創的な感じにカットしたりして地域の人気者になっていった。
ワ〜オ!アメイジング!!エドワードいい仕事しまっせ!
やがてエドワードはペグの娘、キムに恋をするが・・・
鬼才ティム・バートン監督とジョニー・デップが初めてタッグを組んだ作品。
当初はジョニデではなく、トム・クルーズを起用する予定だったらしい。
シザーハンズを見た感想
ティム・バートン監督といえば、『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』などの現実離れした作品が多いです。
『シザーハンズ』もありえない世界から入り込むので「ありえね〜!」と突っ込みながら見ると面白さが半減するでしょう。
ファンタジーにどっぷり浸かる気持ちで見てください。
ですが、物語が進むにつれファンタジー感は一切ナシ。
エドワードの手がハサミなこと以外は、めっちゃ現実的です。
ここからネタバレあり、ご注意ください!
90年代の世界が超かわ!
シザーハンズの舞台は1990年のアメリカ郊外。
アメリカっぽいポップな家が建ち並ぶ住宅街。
黄色や黄緑、ピンクに紫の庭の広い平屋。
車もカラフルで街全体がマカロンみたいで可愛い。
住人たちの服も
中年女性ばかりですが、みんなカラフル。
後ろの男性だって負けてませんよ〜。
マカロン色でキメっっ!
ジョイス姐さんの肉食っぷり
ここの住人が、なかなかの個性派ぞろい。
郊外でゆったり暮らす専業主婦が多いのか、噂話が大好き。
結局、暇なんだろうね。
エドワードは、そんな暇な主婦たちの格好の餌食となる。
中でも一番オモロイのがジョイス。
ジョイスは未亡人なのか?旦那は単身赴任中なのか?
旦那の影はなく、家に来る水道屋さんにも色目を使う。
エドワードに興味を持ったジョイスは色仕掛けを仕掛ける。
欲求不満なのか、エドワードに髪の毛をカットしてもらってる時もこの表情。
恍惚としてまっしゃろ。
ジョイス姐さん、この時「初めてのエクスタシーを感じたわ」と、ご満悦。
ヘアカットの出来ばえにも大満足。
まあ、でも髪の毛を優しく触られると「はぁん♡」となっちゃうのは、わかるような気するよね。
この前行った美容師さんのシャンプーテクに、ジョイス姐さんみたいな表情になってしまいましたよ。
またまた首に手が触れるんですよ。そこ弱いのに。
顔についた髪の毛をはらう時も、椅子に座ってる時じゃなく帰り際に言われたんです。
「目をつ閉じてもらえますか」と言われ、向かい合って立ったまま目を閉じてるんですよ〜。弄ばれてるのかと思っちゃいましたよね〜。
あ、妄想族なのでご勘弁を。。。
粋な刑事
エドワードが悪の片棒を担ぎ、犯罪に手を染める結果になってしまう。
その時に警察に捕まるのですが、その担当警察官がいい人なの!!
「君のことが心配だ。注意して暮らせよ」とエドワードを気遣う。
エドワードはずーっとお城で一人だったから善悪がわからないの。
純真無垢だからこそ、そそのかされたりもする。
それをわかっての、警察官のこの言葉。
クライマックスシーンでも、エドワードをわざと逃がしてあげる。
警察官は黒人男性なんだよね。
理不尽な差別や態度を自分も受けてきたから、そういう人の気持ちがわかるのかもしれない。
人の痛みを知るのは、自分も同じ目に合わないと気づかない事あるよね。
ペグは無責任では?
この物語はペグの好奇心がないと成立しないのですが、後先考えずの無責任行動だと感じます。
連れてきたのはいいとして、エドワードの立場が悪くなった時になんとかするのではなく『お城に戻った方がいい』と思うようになる。
お城でずっと一人で暮らしてるから、かわいそうと思って連れて来たんでしょ?
また一人にするってエグくない?
それなら楽しい世界も知らなくて良かったし、恋するきっかけを与えて欲しくなかった。
『恋しないまま一生を終える方が悲しい人生』と思う人もいるかもしれないけど、知らなかったらそれはそれなりに暮らせてこれたのに。
連れてきた責任取るなら、住人にエドワードを受け入れてもらうよう挽回するか、他の街に移り住んで過去の失敗を活かして新しい生活を始めろよ!
ペグは『良い人』みたいに描かれてるけど、自己中心的な偽善者にしか思えない。
ときめきポイントなハズなのに・・・
この映画の一番好きなシーンがあります。
それは、キムが「抱きしめて」と言うのに、エドワードがためらうシーンです。
中学生の時に見たのは吹き替え。
キム 「抱きしめて」
エドワード「抱きしめたくても、君を傷つけてしまう。抱きしめることが出来ない」
切ないっすよーーーーーー.°(ಗдಗ。)°.
キムが「抱きしめて」と言う前に、エドワードはキムの手をハサミで怪我させちゃってるんでねぇ。他にも傷つけるつもりなくても怪我させてるんでねぇ。
それが、今回字幕で見たら・・・
キム 「抱きしめて」
エドワード 「I can’t」
へ?それだけ!??
ほらほら、もっとさ、こう〜、なんてーの。
湧き上がる感情があるじゃない。
「出来ない」だけじゃ、ただの拒否だよ。
言葉で気持ちを伝えるのは難しいんだから、そんな簡素じゃ何も伝わらないって〜!!
どんな台詞回しでも、キムがリードしてエドワードに抱きしめてもらうんですけどね。
なんか、ちょっと「I can’t」だけでは物足りないんだよな。。。
重すぎる愛情、どこまでなら許容範囲?
エドワードは純粋なんです。
好きな人にも一直線。
悪行に手を染めたのも「キムに頼まれたから」と、キムの言うことはなんでも聞いちゃう。
最後はキムの元彼まで殺しちゃう。
元彼はキムに手を上げたし、このまま生かしておけばキムに悪影響だと思っての行為ですかね。
決して自分の怒りの感情で、元彼を殺したんじゃないと思うんですよ。
キムもエドワードのこの重すぎる真っ直ぐな愛を感じ、だんだん惹かれていってた。
ちょ、ちょ、ちょいと、お待ちなさい!!
これってめっちゃ怖くない?
周りが全く見えてないの。二人とも。
愛してるって感情にどっぷり浸かりまくってる。
わかりますよ、女ならどれだけ彼が自分のために無理してくれるか試すようなことする時もありますよね。
忙しいのに、自分のために寝る時間削って会いにきてくれた。
そんなにお金持ってないのに、喜ばせようとして高価なものをプレゼントしてくれた。
とか、
女子は『こんなにまで私のこと想ってくれてるの〜♡』と嬉しくなります。
片手間で愛をほのめかすようなLINE送ってくるだけでは、こんな気持ちにはなれません。
でもね、人殺しも泥棒も犯罪なんです!!
それを容認するような描写はいかがなものかと。。。
その描写が『純粋な愛』を表してるのかもしれないけど、私はされたら引くな〜。
「君に頼まれたから」なんて言われたら
「え?私のせいにする?」と思っちゃいますね。
それに、ここまでやっちゃう男って、見返りを1000%で求めそう。
その気持ちに応えられなかったらストーカーとか、嫌がらせとかめっちゃされそう。
「僕はこんなに君のこと愛してるのに!君のためなら死ねるのに!!」って。
めちゃだるいわ。
まとめ 分別のつかない子供は見ちゃダメ!
一見、純粋なラブファンタジー映画のようですが、実は恐ろしい人間模様が隠された映画だと思います。
中学生の時に見た感想は『切ない』印象で、最後に元彼が殺されるのはすっかり忘れてました。
『人間と人造人間の実らぬ恋』
『お互い好きなのに一緒になれない』くらいの感想かな。
でも、大人になって見るとエドワードの真っ直ぐすぎる愛は恐ろしく、それをすんなり受け入れちゃうキムも恐ろしい。
ペグの無責任さにも若干苛立ち、ジョイスの色仕掛けは中学生くらいまで見ちゃダメよね。
『愛のためなら何をしてもいい!』と、この映画を見て洗脳されるのは危ないので善悪の分別がついてから見るべき映画だと思います。
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